木工屋の桐の木
2009年 02月 28日
木工屋には、なぜか未生の桐がよく生えてくるらしい。
当社の工場も、何本か生えているが、もちろん植えたものではない。
まして、家は抽斗の中板はおもに桂を使い、
桐は伝統的工芸品や特殊な製品だけに使うので、
あまり沢山使うわけではないし、第一、板を使うのであって
板を置いておいても芽はでない。
おそらく、鳥が運んでくるのだろうが、しかしなぜ桐だけなのだろう。
他の木はめったに生えては来ない。
また、この桐、とても不思議なことがもう一つあって、
大体建物の際みたいなところから生えて来て、
軒先でちゃんと自然に軒をよけてさらに伸びていく。
まるで、目があって、ちゃんと見ているようだ。
いやしかし、木だってしゃべらないだけで、ちゃんと見ているし
感じているのだろう。
実は意外と厄介もので、時期になると落ちてくる大きな葉っぱが
近所のクレームの元になる。
木工屋に不思議と生えて来る桐。
軒先の桐の木を見るたびに、一番身近に、木が生き物だと
いうことを、あらためて感じる。
厄介だけれど、切るのもしのびなく、
結果、今日も冬空を見上げて立っている。