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フトイ草の刈り取り作業

連日の猛暑ですが、この時期この作業が待っています。
松本民芸家具の製品群の中でも特徴ありますラッシチェアの座面を編んでいる素材は
フトイ草というものです。

以前は、静岡県の浜松市で広く栽培されており、私たちも浜松の農家さんから譲ってもらっていましたが、
浜松の畑が年々後継者不足により減少、10年ほどまえからはほぼ私たちがお願いしている畑のみが
細々と栽培を続けていました。

このフトイ草ですが、自生するものはたまに見かけるものの、材料として栽培されているところは
全国で皆無、普通のイグサではだめなのかといえば、茎の中に詰まっている海綿体がフトイ草は
非常にしっかり詰まっており、名前の通り太さも太く、
そのためイグサではよって縄状にしますとささくれてしまうところ、
フトイ草はしっとりとしていてささくれることがなく、耐久力も数倍違うため、
やはりフトイ草でなくてはならないわけです。

その最後の生産者様が数年前ついに栽培を断念するといわれ・・・
その年の秋から、自分たちで栽培をすることにチャレンジし、今年で2年目。
それまで、先達からは海辺でないとうまくいかず松本では上手に育たないと教えられてきたため、
今まで自家栽培という発想にはいたらなかったわけですが、そんなことを言っていては
この仕事が絶えてしまうと、皆で協力し一念発起したわけです。




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1年目はとにかく根つくかどうかわからずでしたが、それでも植え付けの翌年には200kgほどの
草を収穫することができました。
そして2年目、草は予想以上に増えており、今年はおそらく昨年の1.5倍以上は収穫できたのではないでしょうか。
まだまだ、乾燥の仕方や畑の管理など、わからないことが多くあり、
満足いく草は取れていないわけですが、
明らかに継続の光は見えており、現在非常に長い納期を頂戴しご迷惑をかけている状況も、
来年あたりにはかなり健全化できるのではないかと手ごたえを感じています。

猛暑の中、4日間かけて今年の夏草の刈り取り作業を終えました。
たくさん汗をかいた分、草への愛情もひとしおです。

皆、熱中症ぎりぎりでよく頑張りました!



by matsumotomingei | 2018-08-06 00:00 | 諸事雑談 | Comments(0)

松本民芸家具の社員がお届けする、松本民芸家具の日常、いろいろ。


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