漆塗りについて

地元の催しでご注文いただいたお客様の座卓が
ようやく塗りあがってきました。
実はこれがとても苦労してしまいました。
お客様が1冊の本を持ってこられ、そこに掲載されていた
弊社の通常商品であります#527型一閑張座卓をご注文
されたのですが、問題はその本に掲載されていた品の
色味が、通常品と随分違うことでした。
通常はベンガラ朱で仕上るのですが、写真のそれは
溜塗りといえばそうだし、本朱といえばそうだし・・・・
これは明らかに印刷の色が間違っているわけですが、
お客様のご希望はその色・・・。
さて、どうしたものかとその本を取り寄せて、漆屋さんと
相談、これは溜塗が近いだろうということで、当初は溜塗
で仕上たところ、漆の透けが悪く上がってしまい、かなり
黒くなってしまいました。
幾ら使い込めば漆は透けてきて、下に塗ってある朱の色が
出てくるとはいえ、余りに黒すぎてこのままではお客様の
ご希望とは大きく違ってしまいます。
かといって漆屋さんの仕事が悪いわけでもありません。
そこで、漆屋さんと何度も相談して、その上からさらに
潤朱塗という方法で仕上ようということになりました。
e0155377_17115411.jpg

仕上がってきたのがこれ。
潤朱塗(ウルミヌリ)とは、本朱などの朱漆に黒をすこし混ぜ、
落ち着いた朱色にした漆を塗る方法です。
時間がたつと黒味が落ち着き、もうすこし鮮やかな朱色となるでしょう。
今回、規定よりかなり塗りましたので、お客様はお徳?
こっちは拘りすぎて損?(^^;)
しかし、漆の塗り方も奥が深いものです。
まだまだ勉強しなくてはいけません。

もう一つ、今年の展示会のメインにしたいと思い製作した
大テーブルが塗りあがってきました。
e0155377_17154118.jpg

欅材でこれは拭漆仕上げです。
甲板は3枚はぎですが、100cmも幅があるわけですから、
3枚剥ぎとてかなり贅沢なものです。
この剥ぎ目のあわせ方で実はもめにもめました。
どこの目にどのこ目をあわせるか、板の順番はどうするか・・・・
最後は職人といっしょにミリ単位。
結果、川の水が流れているような素直な仕上がりとなりました。
木目はなにも凄い細かければ言いというものではなく、
要はバランスだと思います。たしかに銘木の凄いのは凄いな~と
思いますが、この天板が総玉杢だったら、多分疲れちゃいます。
杢目を生かすも殺すも作り手次第。
だからって高くなるわけではないのですが、どんなものでも
ものすごく拘っちゃうのは、性ですね。

とにかく力強い良いテーブルが出来ました!!
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by matsumotomingei | 2012-05-02 17:25 | 諸事雑談 | Comments(0)

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