北信濃の竹細工
2010年 04月 21日
そこで弊社ショールームでも、さまざまに生活工芸品を取り揃え
皆様のお出でをお待ちしようということで、
昨日、北信濃の山間部落・須賀川まで行ってきました。
須賀川とは、志賀高原のふもと、北志賀方面の山之内町にあります。
冬は数メートルの雪に閉ざされるその地で、昔から伝統的に竹細工が
作られています。
信州の竹細工は主に4箇所、
山之内町・須賀川と戸隠はちしま笹(根曲がり竹)を使った農具などと
伊那、松本で作られたミスズ竹を使ったミスズ竹細工があり、
そのどれもが時流とともに姿をなくしつつあります。
しかし、その品物はどれも生活に根ざし、長い時間とともに作り出された
美しく、素朴で温かみのあるものであり、現代の生活に十分耐えるものです。
残念ながら、松本のミスズ竹細工は最後の職人がお亡くなりになられ、
事実上絶えてしまいましたが、北信濃にはまだ素朴で、真面目な仕事が
続いています。
そこで、私たちも伝統的工芸品を生業としているものとして、よしんば
県内の多くの生活工芸品としての伝統的工芸品の紹介もしていくべきと考え、
来月、ショールームですこし特集してみることとしました。
その第一弾が、信州竹細工です。
深い雪から体を曲げて春に姿をあらわす根曲がり竹は、
大変丈夫で、繊維が細いのが特徴であり、それで編まれた竹細工は
丈夫で長年の使用に耐え、使い込むと飴茶色に変化していきます。
今回は、特に伝統的な品々に焦点をしぼり、
笊、魚篭、捥ぎ篭、手篭、スイノウ、コヤツ、平皿などを
松本民芸家具とあわせて、生活空間の中にお見せします。
その素朴で味わいある真面目な仕事を、ぜひご覧下さい。
松本は桜が散り始めましたが、
須賀川はこれからが春本番。山桜と菜の花がとても綺麗でした。